分断から平和への出発点に。

本日、板門店で南北首脳会談が開かれる。
65年近くも続いた「休戦状態」から「終戦」にむけて歴史が動こうとしている。

北朝鮮の非核化への道のりは長いかもしれない。
それでも、3年もの地上戦で犠牲者が300万人とも400万人とも
言われる朝鮮戦争にピリオドを打つと、
分断から平和への出発点に、
まず、南北首脳どうしが板門店に立つ意味は測り知れないほど大きいと思う。

かつて初めて南北をつないでクルーズ船を入れるという交渉を私が担当して難航したとき、
現地で奔走してくれた人々の朝鮮半島の平和に対する思いや、
半島にルーツを持つ友人たちの一人ひとりの顔が浮かんでくる。

10年以上前に観た映画「ブラザーフッド」や「JSA」を
思い出しても涙が溢れてくる。

板門店の中を以前訪れたことがあるが、
休戦協定が結ばれた机の上には「分断」を象徴するかのように
マイク線が境としてピタリと張り巡らされ、悲劇を物語っていた。

今回、それが消え、会議場には楕円型テーブルが準備されている。

北が期限を区切って核の完全放棄をはじめとする六カ国協議共同宣言に戻れるかどうか。
もっといえば、ベースとなる1992年の南北非核化共同宣言に
どれだけ立ち返れるか。

2000年の初の南北首脳会談の流れのなかで、
2002年に日朝首脳会談が開かれ、拉致被害者の帰国が実現した。

拉致問題の解決や日朝国交正常化も含め、
北東アジアの平和と非核化を実現するという大きな目標を見据えて、

日本も当事者であることを思いながら、
南北首脳会談そして初の米朝会談の歴史的な流れを見まもりたい。