【vol.36】【拙速な再稼働には待った!】

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NEWS万里の風 【vol.36】
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[トピックス]

◆拙速な再稼働には待った!

・・イギリス原子力規制長官 マイク・ウェイトマン氏のお話
・・大飯原発再稼働の拙速で不十分な「基準」に申し入れ
・・エネルギー需給見通しの詳細なる検証と公表を

3.11の原子力災害以降、国のこれまでの原子力行政や電力会社に対する国民の 信頼感が失われてしまっているのが現実です。事故から1年が経っていますが、たい へん残念ながら、その信頼が回復したとは到底思えません。一度失った信頼を回復 するのはとてもたいへんな作業であり、長い時間と多大な努力が必要です。

・・イギリス原子力規制庁長官 マイク・ウェイトマン氏のお話

本日4月20日、イギリスの原子力規制庁長官であるマイク・ウェイトマン氏と意見交換 をする機会がありました。彼は、英国原子力規制のトップとして原子力の安全とセキュリ ティーを確保する責任を担っている方です。

何よりも国民の信用と信頼がなければならない、そのために透明性や公開性、規制や 決定に対する合理的な説明責任を徹底しているという当たり前の原則が、今の永田町や 霞が関では新鮮に響いてしまうことに改めて事態の深刻さを感ぜずにはいられません。

さらに、原子力規制は「人と社会を守る」ことが普遍的な目的である。そのために厳しい 許認可と条件を課して常に改善を求めているという彼の話は、原子炉の安全規制のみに 重きをおく日本の原子力安全・保安院がいかに不十分であるかを浮き彫りにするもので した。

・・大飯原発再稼働の拙速で不十分な「基準」に申し入れ

世界史的な原発事故が福島で起きました。海外もその後に注目しています。 大飯原発再稼働を判断する「基準」は拙速であり不十分と言わざるを得ません。私は、 4月13日の衆議院経済産業委員会の質疑において、地元はもちろん国民のコンセンサ スを得られないまま再稼働ありきで進めるのは、国に対してさらなる不信感を増やし、日 本の未来に大きな禍根を残すことになると枝野大臣に強く申し入れました。また、党の事 故収束PTでは、原子炉の安全はもちろん「人と環境の安全」を重視する5項目を入れた 緊急提言を提出しました。

・・エネルギー需給見通しの詳細なる検証と公表を

一方、エネルギー需給見通しについて詳細なる検証と公表を求めています。暮らしや産 業の血液ともいえるのがエネルギーですから、再稼働なしの場合の影響やリスクもしっ かり分析および対応しておかなければなりません。

昨年来、当面のエネルギー需給対策として約5800億円もの巨額の国の予算をつけて います。当初、私は驚きました。今夏に再稼働がない場合に2010年並みの猛暑を想定 したとき関電で電力不足となる数字が19.6%だったからです。これは予算をつける前に 公表された数字と同じ。なにも対策をやっていないことになります。

ようやく政府に第三者による需給検証委員会の設置が決まり、内外からの疑問の声を 意識してか、先週末からは不足公表値が18.4%に低下。ピーク対策含めた需給メニュ ーを予算を使ってどこまでできるのかきめ細やかな対策が必要です。引き続き、しっかり 取り組みがすすむよう意見していきます。

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