【vol.41】【第180回国会を終えて】【「原発ゼロ社会」をめざす】

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NEWS万里の風 【vol.41】

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≪第180回国会を終えて≫

私が衆議院の予算委員会委員に就任して初めての通常国会は、1月24日にはじまり299日間という長い日程を経て9月8日に閉会しました。

寒い冬、予算委員会からスタートして、桜の季節そして緑の5月、社会保障と税の一体改革特別委員会がはじまり梅雨を過ぎて夏、一部離党者がでる 混乱と厳しい決断であった消費税法案の成立。その後も再び問責決議が可決 されるなど波乱万丈の国会でした。

持続可能な社会保障制度にむけて、これまで先送りされてきた課題を克服して未来にツケを残さない、将来世代に責任をもつ政治へ舵を切った国会となりました。

一方、たいへん残念なことは、極めて重要な特例公債法案が可決をみず、 「一票の格差是正」である小選挙区0増5減する法案や「議員定数の削減」 法案は衆議院で与党単独の採決をしたまま野党の審議拒否のため成立に至ら なかったことです。

とくに、国会議員自ら身を切る改革は、昨年秋から一期生議員の仲間たちと議員立法をつくり、政府及び執行部に対して再三の申し入れを重ねてきたものです。

私たちの責任で身を切る改革を実現しなければならないという強い決意で進めてきたのは、議員が自ら身を切ることもせずに国民負担をお願いしたり、 あの人件費や予算はカットしろなどという資格はないと思ってきたからです。

最大野党からは、一切、議員定数の削減案は出されていません。たいへん残念なことです。

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≪「原発ゼロ社会」を実現する≫

国会終盤、党内では連日にわたってエネルギー・環境調査会が開かれ、大議論のすえ、9月6日に与党の最終提言が決まりました。提言骨子は「原発ゼロ社会」をめざす。そして、「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」という政治意思が明記されました。核燃料サイクルは一から見直すとしています。

原則は3つ。40年運転制限制を厳格に適用すること、新増設はしないこと、原子力規制委員会の厳しい安全確認を得たもののみ再稼働、です。党の提言を受けて、本日14日に開かれる政府のエネルギー・環境戦略会議で正式決定となれば、1950年代から原子力推進一辺倒できた国の政策を大きく方向転換することになります。

同時に、私が3年間、中心的に取りくんできた再生可能エネルギーの導入については2030年代に4割程度とする意欲的な努力目標が明記されました。

この7月にスタートした太陽光や風力などのFIT法は、施行から一カ月、予想を上回るペースで導入がすすんでおり一年間の導入見込み量の2割にとどく検証結果が出ています。系統強化や規制改革がますます必要ですが、省エネルギーとあわせて新しい産業育成や雇用拡大にむけてスタートダッシュが切られています。

ゼロの目標時期の明示によって、産業界にとっても、技術革新がすすみ、投資がすすむ、さらなる民間活力の広がりにつながると考えます。

8月以来、私は、将来に原子力ゼロを決断していただくよう、総理はじめ関係大臣ひとり一人に積極的に働きかけを行ってきました。

一期生の女性議員有志で総理を訪ねて直接意見を伝え、担当する各大臣と原発ゼロが抱えるいくつもの難題を議論したり、党提言の最終とりまとめでは一期生の仲間とともに署名活動を展開し、「原発ゼロ社会」の目標時期を明記するよう強く求めました。当初の素案では、2050年代前半とか3年後に決定を先送りするかのような数字が基本だったからです。

さらに、その直後には党所属の衆議院議員一期生の過半数を超える70名の署名を官邸へ持参し、総理へ直接手渡し、政府決定においても党の提言をしっかり踏まえるよう強く求めてまいりました。

国民的議論の結果でも7・8割が原発ゼロを求め、討議すればするほど原発依存のない社会を求める声が増えていった事実を政治は重く受け止めなければなりません。

政府自らが2030年における3つの選択肢を提示したのですから、政府はそれに解答する責任があります。ポピュリズム批判はあたりません。むしろ、美しい国土を守る、子孫の代まで生命と国家の繁栄を保つための勇気ある選択です。

たしかに、原発ゼロ社会への道筋には多くの困難や一国だけでは決められない課題も山積みです。決して容易な道のりではありません。

しかし、どんなに厳しくても正面から逃げずに向きあい、一つひとつの困難を乗り越えて将来世代に責任をもつ政治に舵を切ることが今の政治家に求められている最大の役割です。

社会保障や国家財政だけでなく、エネルギーについても、外交についても、未来にツケを残さない決断をする政治を実行していきたいと思います。