【vol.37】【社会保障と税 国会での論戦がスタート】

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NEWS万里の風 【vol.37】
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[トピックス]

◆社会保障と税 国会での論戦がスタート

5月8日、衆議院本会議において、「年金」「子ども・子育て」、「税制改革」と大きく 3つに分けて趣旨説明と代表質問が行われ、いよいよ審議が始まりました。これから の日本のありかたを決める重要法案です。我が国史上、誰も経験をしたことのない人 口減少・高齢化時代に入り、今ほど、一人一人の政治家の考えや国民的な対話を必 要としているときはないと考えます。

・・問題は高齢化ではない、出生率である

今回の改革のひとつは、子ども政策を大きな柱に加えていることにあります。つま り、これまで日本の社会保障制度は、いわば高齢者のみなさまを基本とした人生後 半の安心を支えるもの(年金・医療・介護)として機能してきましたが、新たに子ども政 策を加えて人生前半の社会保障として子育て世代・現役世代を支えていくことにあり ます。

そもそも、我が国は他国の先進国に比べて子どもにかける予算の対GDP比が明ら かに小さい国です。国家予算上でも、高齢者向けと子ども向けを比較すると17対3の 割合であるのが現状です。 出生率の低下は、決して自然現象ではありません。2004年をピークに人口減少す る予測がありながら効果的な手をうてず、一方、子育てや教育にかかる支出が家計 の可処分所得の多くを占める等の結果、子どもを持てない傾向が続いてきました。家 計収入が低いほど負担は深刻になります。収入格差が教育機会の格差につながる 実態に対して、たとえば現在は高校無償化によって改善効果が出はじめました。他 の先進国では少子化傾向だからこそ、子育てと教育に重点投資をしています。

・・幼保一体化はあたりまえ

私の実家は昭和38年から幼稚園を経営していますが、先駆けて、4年前に保育園 を同じ敷地内で開園し、従来の幼稚園の教育機能と保育園の保育機能を融合した総 合的な子育て施設として職員が頑張っています。

今回の改革で「総合こども園」として幼保一体化がようやくスタートすることになり、こ の流れを後退させてはならないと考えます。むしろ、もっと大胆に「子どもにとって何が いちばん必要か」という発想ですすめ将来的に子ども家庭省(仮称)の基盤となる体 制めざして取りくむべきです。文部科学省と厚生労働省の壁や族議員の弊害に左右 されてきた古い政治を繰り返してはなりません。

現在、待機児童は全国で2万6000人、町田市では435人、多摩市では172人 (2011年4月)。

改革案では、新たに小規模保育や保育ママなどにも国が助成をして多様な保育を充 実させて質的にも量的にも拡大につなげることをめざしています。ここは、単に「器」を つくるだけでなく質の確保や非正規中心の職員の環境改善はもちろん、待機児童の いちばん多い0・2歳児にとって何がいちばん大切なのかを見失ってはならないと思 います。 大原則は、お父さんやお母さんの愛情であり、絆です。会社の育休や短時間の働き かたを可能にして幅広く選べる社会にしていくこと、家で仕事をしようと外で仕事しよう と、子どもの命にかかわる育児や子育てを安心して親が選べることを社会が保障す る、この基本を社会全体で共有することが何より大切であると考えます。
国づくりは人づくりです。歴史的な変革期にあたりしっかり議論を深めてまいります。

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