【エネルギー政策の見直し】

3日(月)、経済産業省の17階にて、総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会の初会合が開かれ、傍聴出席してきました。原発事故後、エネルギー政策をゼロベースで見直していく初めての会議です。国会議員の傍聴は私を入れてわずか2名のみ。初めてネット中継も行われました。

焦点は、30年に53%導入を掲げていた原子力エネルギーの見直しと、再生可能エネルギーや省エネルギーをふくむエネルギー政策全体の中長期ビジョンと方向性です。

野田総理が、新規増設は困難であり寿命を迎えた原発から廃炉にしていくと明言されたように、原子力への依存度をどう減らしていくのか。短期的に火力の燃料コストや国民負担をどう考えるのか。天然ガスの活用と資源確保は。再生可能エネルギーを飛躍的にどう伸ばすのか。全体の需要量をどう減らすのか。そもそも、化石燃料への依存度を減らすことは経済性や環境性の観点からかねてからの課題であります。

ここでもう一度、原発事故後、語られる機会の減った温暖化対策と再生可能エネルギーの視点でみてみると、現行のエネルギー基本計画では、再生エネルギーは2030年までに21%(大規模水力含む)、CO2は90年比30%削減目標を掲げていました。

それを、先のドービル・サミットにて、再生エネルギーは2020年代の早い時期までに20%普及させるとして30年の目標を前倒ししています。また、CO2は、20年までに90年比25%削減目標が国際公約として生きており、その旗はおろすべきでないと、私は考えます。

ちょうど今、中米のパナマで、気候変動COP17の最終交渉となる特別作業部会が開かれていますが、年末にはいよいよ南アフリカのダーバン会議。

CO2の排出量は、中国が3年連続世界一でインドが初めて3位に浮上。世界全体の排出量は290億トンで前年比で約1%減らしているものの、中国は5%増。ちなみに、米国は前年比7%減(しかし52億トン)で、日本は5%減で11億トン。(IEA統計・2009年)

中国やインドのように新興国のCO2は増え、日米は減少しているものの金融危機の影響であり、CO2の増減量が各国の経済成長の指標であるかのような産業構造から脱却するところへまだまだ届いていません。低炭素成長を可能にする、環境経済や環境産業がまだまだ育っていないことの表れでもあります。

日本では実質1%しかない再生可能エネルギーや関連産業を育てて、それを経済建て直しの原動力にしていくこと。また、たった4%しかない日本のエネルギー自給率向上にむけて再生エネを中核エネルギーに育てて、「安定性」と「経済性」を追求すること。これが温暖化対策もあわせて国民の安心と安全を取りもどし経済を活性化させる道であると、改めて、思います。

まずは、これまで全体のエネルギー基本計画のなかにはなかった、太陽光や風力、地熱やバイオマス、小水力など、再生エネルギーの電源種別による短期・中期・長期の導入目標をしっかり立てていくことが必要です。

持続可能なエネルギー政策の議論を加速させていきます。