皇位継承について

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昨年夏、天皇陛下のお言葉について、皆さんはどう受け止められましたか?

私は、皇位継承という国家の根幹にかかわる大切な論点について、国民ひとり一人に語りかけられたものであったと思っています。今上天皇ご自身が御退位されたい、されたくない、という次元のものではなく、象徴天皇としての存在をどのように考えるのかという国民への問いかけでした。

その永続性を大切に考えるならば、政府が言うような「一代限り、退位を認める」という特例法はあまりにもお言葉の趣旨を違えることになり、時の天皇陛下の地位が、時の政権の意向に左右されかねない状況をつくってしまうことになると危惧しています。

そうではなく、どの天皇であっても適用されるよう恒久的な制度として、皇室典範の改正という王道でいくべきです。

安倍政権のもとにある有識者会議はいったい誰を代表しているのか、正直、よく分かりません。特例法という結論ありきであるかのような印象さえ、感じられます。

この本に綴られているように、今上天皇が深めてこられた象徴行為や、慰霊の旅と平和への願い、また被災地への激励などに多くの国民が心を動かされてきました。その心が、自然と皇室への敬意につながっているのではないでしょうか。

国家の根幹にかかわる皇位継承という論点を、またもや数の力で押し切るようなことがあってはなりません。地域からしっかり注目をしていきたいと思います。