加計問題から改めて教育政策を考える

昨日(11月10日)、林文部科学大臣が岡山理科大学の
獣医学部新設に事実上の認可をするコメント出しました。

この獣医学部は、いわゆる『加計学園問題』そのものです。

選挙が終わってまだ3週間ほど、
『丁寧な説明』、『選挙を通じて説明』すると
安倍総理は選挙前にも言っていたにもかかわらず、
あれから説明がされないままに新設が決定されてしまう。
これから毎年、私学助成金として多額の税金がつぎこまれることに。

私は、先の総選挙でさまざまなご意見をいただきながらも、
この加計学園問題のまさに当事者である前文部科学大臣と
対決する形で選挙戦を戦ってきました。

おりしも台風が近づき連日風雨が激しくなるなか、
直接選挙区の方々にも訴えをさせていただきました。

選挙結果とは別に、悪天候の中でも、
数多くの方が「このままにしないでください」
「待機児童のことを忘れないでください」と
たくさんの声を受け止めることができました。

そんな選挙戦のなか、とても違和感を感じていたこと。

それは、一度も相手候補と討論をすることもなく、
当時の教育行政の最高責任者(文部科学省)である大臣だった人が、
街頭でまったく、『加計学園問題』を説明する姿を見なかったことです。

投票日翌日、事務所を片付けている時も
「このまま何事もなくなるなんておかしい」
「この選挙区の人が認めたみたいで悔しい」
と言う方も多くいらっしゃいました。

それからほんの3週間しか経っていないのに。

そもそもの問題点は、
特区制度を使ってまで獣医学部を新設する必要があるのか?
なぜ、岡山理科大学(加計学園)でなければいけなかったのか?

その過程を明確にしていないこと。

そもそも獣医学部新設に関しては、
2015年6月に閣議決定した「設置4条件」を満たしているのか?
*別名、石破4条件(当時の地方創生大臣が石破茂衆議院議員)

最も重要な点であると思うのは、
「ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき具体的な需要が明らかになること」。

これに対して、設置審の是正意見で
「ライフサイエンス、医獣連携、公共獣医の需要は不明である」と指摘されています。

獣医学部は過去52年間作られていません。

獣医師が不足しているかどうか、
その議論はもちろん必要であると思う。

ペットを見る獣医師の数は特に都市部では、
多すぎるくらいになっている状態。

一方、家畜(牛や馬等)を診る獣医師は、
一部地域では不足しているのも事実。

今までの政府の説明では、
獣医師が不足している根拠がなく
大学を卒業した学生が四国・九州地区で
家畜をみる公務員になる義務等を定めていないという問題も。

防衛大学では卒業後に任官拒否すると
無償だった学費等を返納することを義務化しています。(2014年より)

また、過去にも法曹資格者を増やすことを
目的にした規制改革が行われてことがあります。

当時は、より多くの人が相談しやすい法律家を増やす、
社会経験のある人にも弁護士になるチャンスを増やす、そのためと。

政治主導で規制緩和が行われましたが、しかし、
当時できた法科大学院の多くが募集停止、定員割れを起こしています。

私立大学の多くで経営困難と判断しているだけでなく、
卒業後に、社会における必要性が思うほどなかったことが反省されています。

果たして、今回の加計学園はどうなのか?

教育政策はいかにあるべきか、という議論に立ち返ることもなく、
少なくとも特区制度を利用するプロセスにおいて、
ライバルを不透明な形でなくし、
設置後の経営基盤となる財政について多額の補助金が保証されているのです。

その内訳が
36億円相当の土地の無償提供、96億円の補助金に加え、
毎年多額の私学助成金が入ってくることになります。

国会の審議中や今まで全く発言してこなかった
加計理事長もここになってコメントを発表しています。

この問題は、これで終らせてはいけないのです。

今後も安倍総理、政府はきちんと、
国民が納得できるように説明責任を果たし、
腹心の友である加計氏にも直接国会の場で
総理と自らの関係を明らかにしてもらいたいものです。

喉元過ぎれば熱さを忘れる

忘れてはいけない事をこれからも、
訴えていかなければいけないと思っています。