謹賀新年

あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりありがとうございました。
あらたまる年の始めによめる、
春くれば光あつめし朝露のつららく玉に君が千歳を
皆さんにとって幸多き一年になりますようお祈りいたします。
五年前、鎌倉にて、小林秀雄に学ぶ池田塾の仲間たちとともに
まったくの素人から始めた和歌ですが、今年初めて、
新春に一首を詠んでみました。
まだまだ鍛錬中ですが、一首の歌をつくるのもさることながら、
ひとつ一つの「古語」に向きあう時間そのものが、
私にとっては、発見の連続です。
日本の言葉の多様性や奥深さ、美しさやリズム。
かな文字に秘められた、音。
世界がグローバル化し、日本にも外国人の方々が増えるなかで、
日本文化や日本食に注目が集まる場面が多くなってきたのは嬉しいことです。
それは単に、売れるから、ではなく、
お金や製品、人の移動が加速するグローバル化で、
自分の生活や自国の利益だけを優先しようとする「〇〇ファースト」が
強まっている時流において、
こうした日本文化のなかにある多様性や自然との共生という
本質的な価値には、人々や国々が平和に生きていくための知恵が
つまっていることを再認識する機会が増えると感じるからです。
我が国も世界も、ゆく道を見誤らないように、
私たち自身が長い歴史のなかで育んできた価値観や英知に、
もう一度、しっかり向きあい、未来につなぐ一年にしていきたいと思います。
「温故知新」。
平成30年1月1日
