女性学と自分らしさ

話題になっている、上野千鶴子さんの東大での祝辞。
私は、フェミニズムの運動そのものに参加する世代ではなかったけれど、
「女性学」というフィールドが切り開かれていると知ったことに、
当時、田舎の女子高生だった私は、どれだけ、勇気をもらっただろう。

17歳の頃、女子高の図書室でひっそりと一人、
偶然手に取ったのが上野千鶴子さんの本。
難しくて分からなかったけど、女性学という言葉がキラキラしていて、
それが社会に目を開かせてくれたことを思い出す。

話題になるだけあって、さまざまな批判の声もあるが、
昨今の格差社会において、勝ち組と称される人々に向けて伝えられた言葉の数々と、
「女性学」は自分らしさを大切にしようという学問であり思想である、
というくだりに、私は共感する。

「平成31年度東京大学学部入学式 祝辞 | 東京大学」
https://www.u-tokyo.ac.jp/…/a…/president/b_message31_03.html

「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。
恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、
そういうひとびとを助けるために使ってください。
そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。」

さらに、「女性学はベンチャーでした」。
「女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、
決して女も男のようにふるまいたいとか、
弱者が強者になりたいという思想ではありません」
「弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。」

誰もが、自分らしくありたい。

いまだ社会も自分も成らず。
がんばろう。

(その後、アルバイトして、小さな本屋に『女は世界を救えるか』を
注文して取寄せた時、店主のおじさんに怪訝な顔をされたのをよく覚えている。
一人東京に出てから、恐る恐る、本人に会いに行った時のことは今でも忘れられない)

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