【北朝鮮の人権】

先日13日、能登半島沖で脱北者9名が日本海を漂流のうえ保護されました。思い返せば、4年前の2007年にも青森県の港で脱北者4名が保護されています。

海上ルートでの脱北者は今回のように予期しない形で日本に一時庇護上陸し韓国へ行くケース、中朝国境ルートの脱出者は想像を絶するような過酷な状況を経て一部が日本にたどり着かれています。日本にいる脱北者はNGOの調べで約200名。韓国では累計で2万人で毎年2000名を越えています。

残念ながら、日本は他の先進国に比べて難民受入れに積極的ではありませんし、北朝鮮脱出者はなおさらです。私が事務局長を務める「北朝鮮難民と人道問題に関する議員連盟」では、北朝鮮脱出者を救援するNGOへの支援や日本にいる脱北者の生活支援をすすめようと地道ながら取り組んできました。

今年5月に、衆院の拉致問題特別委員会で外務大臣へ質問したとおり、脱北者の保護を通じた北朝鮮の国内情勢の把握や情報収集が、拉致被害者や特定失踪者救出につながる手がかりにもなり得ます。

27日の総会では、会長であった中川正春元文部科学副大臣の大臣就任を受けて、後任は副会長の白真勲参院議員に。「北朝鮮難民の人道問題にかかる決議」(事務局次長の有田芳生参院議員のHPへ)を採択確認しました。また、2009年に脱出した36歳の男性から証言を伺うとともに彼を救援したNGOから日本入国までの実態等を聞きました。

先日議連で視察した第一期日本語教室には、約10名の脱北者が、夜に一生懸命、週3回・1回120分のコースに参加し言葉を勉強していました。職場での実習制度もあります。しかし、これさえもNPO「北朝鮮難民救援基金」がボランティアベースで定住支援に一歩を踏み出し、今回初めて、文化庁にある外国人のための日本語教育事業費の一部を受けて実施したもの。その額、年間144万円のみ。

日本には北朝鮮難民に対する支援スキームは一切なく、難民本人の自助努力とNGOボランティアの支援に依存した状況が続いています。拉致被害者や特定失踪者の救出にむけたあらゆる取り組みを強化し、脱北者の定住支援についても拉致対策本部はじめ各省庁は政府一体となって熱心に行うべきです。引きつづき、働きかけていきます。