自衛隊内の性被害

9月29日、防衛省の人事教育局長と陸上幕僚監部が初めて、
五ノ井里奈さん(元陸上自衛官)が告発した性被害について
謝罪を行い、その記者会見に同席しました。

8月31日の防衛省申入れにも同行しましたが、
再調査と謝罪まで、なぜこんなにも時間がかかったのか。
退職に追い込まれ、涙ぐむ五ノ井さんの心中察するにあまりあります。

防衛省は、
1.元陸上自衛官の所属する中隊で日常的なセクハラがあった
2.元陸上自衛官への数次にわたるセクハラを認定した
3.中隊長の対応に問題があった(上司である大隊長に報告しなかった)

このことを防衛省・陸上自衛隊として認めました。

さらに、「性暴力と認識している」、
「勇気ある告発に対して、(誹謗中傷など)二次被害をもたらす
行為は許せない」との発言もありました。

私としては、「退職者を調査に含めるべきではないか」、
「加害者からの謝罪はどうなるのか」とも質問しました。

これに対して、「対象者の拡大を防衛監察本部で検討する」、
「今回の調査の内容が確定次第、適切に対応する」との答えを得ました。

五ノ井さんは、引き続き、加害当事者からの直接の謝罪をつよく求めています。
また、当事者の懲戒処分の内容もまだ決まっていません。
引き続き、再発防止まで取り組みを進めていきます。

なおじつは、前日の28日、五ノ井さんの件に関連して、
私は、防衛省からヒアリングしていました。
(まさか翌日に謝罪があるとは思わなかったので驚きました)

防衛省は、大臣指示によって異例の特別防衛監察を行っています。
この件について、8月31日に防衛省に出向き、
第三者的な立場からの再調査を申入れしてきましたので、
特別防衛監察がその答えかと思っていましたが、
実態は大きく異なるものでした。

まず、今回の特別防衛監察は退職者を対象としない、
つまり今回の元陸上自衛官は別だということです。

また、監察自体は防衛大臣直属の組織で行うのですが、
被害の申出は基本的にメールで受け付け、
その後の調査は各幕僚監部などに引き継ぐそうです。
さらに懲戒処分が必要な場合も、監察本部が決めるわけではありません。

これでは、当初求めていた第三者性や実効性があるかどうか疑いがあります。

被害に遭われた方が、現職でも退職者でも、しっかり独立性ある調査がなされ、
処罰と再発防止につながるよう、あらゆる性暴力を根絶するため、
引き続き、力を尽くしていきます。