【国会質問】少子化対策・「将来へのツケ」とは

予算委員会にて、続いて、少子化担当大臣と厚生労働大臣に対し、国会質疑を行いました。

この日は冒頭、熊本地裁が、1月23日、旧優生保護法下の手術を憲法違反として国に賠償を認める判決を言い渡した件について、国は控訴をせず、被害者の方々への真摯な謝罪 十分な賠償 を早急に行うべきであると、強く求めました。

2月6日が控訴の期限だからです。

加藤厚労大臣は「法務省と検討中」と述べましたが、本日は2月3日(金)ですから、事実上の最終日であり、もう結論は出ているはずです。

障害者に対して深刻な被害をもたらした、国による人権侵害です。
「控訴はしない」、と歴史的なご判断を出していただくよう、再度、強くお願いしました。

(結果として夕方、政府は「控訴する」ことを報道発表しました。許せません。)

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さて、「異次元の少子化対策」といわれる子ども予算の財源について、追及しました。

まず、少子化の原因は何なのか。
内閣官房の資料も「若い世代の賃金が低い。未婚率の上昇や子ども数の少なさに影響している」と、
自ら少子化の原因を認めています。要は、賃金です。

過去25年で、所得の中央値が131万円も落ちていることは、以前から指摘してきました。

さらに、重要なことは「夫婦と子どもからなる世帯」の世帯所得は、
2014年の中央値が493万円に対して、2019年は550万円と上がっているものの、

「世帯所得が500万円未満の25~34歳の世帯では、子どもを持つ割合が大きく低下」
していることです。

つまり、今の日本では、真ん中くらいの所得の世帯でも、
経済的な理由で子どもを持てなくなっていることがグラフから読み取れます。

とんでもない時代になっていることが、改めて、分かります。

賃金が上がれば状況が改善するかというと、
そうはならないという現実も、しっかり見ていく必要があります。

次のグラフからは、2020年の雇用者給与の伸びに比べて、
「可処分所得が半分以下」というのが一目瞭然です。

つまり、賃上げが実現しても、税と社会保険料の負担は大きく、
肝心の「可処分所得」が増えなければ、子どもを持つ余裕はありません。

では、どうするか。
れいわ新選組は消費税廃止を訴えていますが、減税さえもしない政府を待って、
税と社会保険料の負担軽減を待っているわけにはいきません。

やはり、積極財政で、子ども予算を確保するしかなく、子どもには最大限投資をすべきであると考えます。

そこで、国債についての考え方ですが、

先日総理は、我が党の大島九州男議員の質問に対して、
「国債は政府の負債であり、国民の借金ではない」と答弁されました。
同時に、
「国債の償還や利払いにあたっては、将来、税金等でご負担いただく事が必要」
とも言っているのです。

国債は政府の負債、つまり政府の借金ですから、
自分の借金でないものを国民が税で負担しなければならないのは、明らかにおかしな考えですね。

そこで、少子化担当大臣にも同じ認識かどうかを質しましたが、的を得た答えはありませんでした。

国の財政は、家計とは違います。
国債は借り換えで回していけばいいのですし、今年の予算でも国債発行額は36兆円であり、
実際に、政府はそうしています。

財務省自身が、日本の国債はデフォルト(財政破綻)しないと明言しているじゃありませんか。

昨年から「こども家庭庁」を設置するにあたり、
何度も国会で議論していますが、
子ども政策・少子化対策は、詰まるところ「財源」です。

大臣は「3月末までに政策パッケージで叩き台を作る」とおっしゃいますが、
財源も、示すのかどうか、ここが焦点です。

4月には、全国統一地方選挙がありますから、
その前に、財源を示していただかなければ、国民は正確な判断をすることができません。

しかし、今日も、小倉少子化大臣は3月末までに財源を示す、とは言いませんでした。

選挙前は政策だけ並べ、終わってから、
消費税増税など国民負担となる財源を示す可能性が高く、
そんな国民を騙すような、やり方はやめていただきたい、と強く申し上げました。

消費税は逆進性が高く、低所得者ほど負担が大きいものです。

経済的に厳しい状況にある人や子どもの7人に1人は貧困です。
子どもたちからも取る税金で、子育て支援や少子化対策を行うこと自体、
本来、社会保障の仕組みが構造的に間違っていますし、本末転倒です。

この30年間賃金が上がらない、そこへコロナ災害と戦争による物価高で、
国民は三重苦にいるなか、まさか「国民負担」を増やすつもりはないですね?

とくに、消費税増税はありませんね?、と重ねて質しました。

防衛費倍増や原発推進には、すぐに予算をつけるにもかかわらず、
なぜ、子ども予算倍増をすぐ決断しないのでしょうか?

「子ども未来債」と名付けて、積極財政で、決断すればすぐ実行できるはずです。

子どもへの投資は、将来の税収や保険料でしっかり国に償還されるんじゃありませんか。
受益者は、国であり、社会です。

「将来世代のツケ」という考えは、間違っています。


「財政健全化」のもと、子どもの虐待や貧困、自殺が止まず、
子どもが生まれない社会の状況を放置する方が、よほど将来に大きなツケを残してしまいます。
自ら、国家自滅の道を歩もうというのでしょうか。あり得ません。

私は昨年から、総理に対して、たびたび、
「子ども予算倍増の財源を消費税増税に求めては絶対にダメだ」と言い続けてきました。

「失われた30年」と「少子化進行の30年」はカーブが完全に一致しています。
消費税の増税と緊縮財政が、この日本を貧しくしてきたのは明らかです。

「失われた50年」にしないために、消費税増税はダメであることはもちろん、
社会保険料増額の国民負担ではなく、積極財政で、
子どもへ最大限の投資をいますぐ決断いただきたい、ということを強く申し上げました。