【国会質問】どうなる、防災庁の設置?

12月4日、衆議院の災害対策特別委員会において、高市内閣で防災担当大臣となった赤間二郎大臣と、牧野たかお防災庁設置準備担当大臣に、能登の復興や災害対応における姿勢を追及しました。

前半は、今年の通常国会で改正された災害対策基本法で、これまで災害対応にあたってきたNPOや民間団体を、新たに「被災者援護協力団体」として登録する制度の運用について、質しました。

なぜなら、改正法が施行されたから半年も経つのに、登録団体がたった10団体であることや、このままの運用では自治体から見てもその有効性について疑問が残るからです。

後半では、防災庁設置の準備が進んでいる報道があるなか、阪神淡路大震災以降の30年間、災害対応の経験や知見やスキルなどを蓄積してきた専門性ある災害NPOや団体の声がしっかり組織の枠組みに入っているか、追及しました。

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能登半島の地震から、まもなく2年が経ちます。まず、今なお被災地が厳しい状況に置かれている現状について、大臣の受け止めを聞きました。

とくに奥能登(珠洲市、輪島市、穴水町、能登町の2市2町)の人口が大きく減っていることを指摘、

地震の発生後と直近の人口統計を比較すると、珠洲市、輪島市では10%以上の減少率(※穴水町と能登町でも9%台の減少率)を示しています。


そして、輪島市、珠洲市、能登町の3市町については、その職員数も、発災当時と直近の11月1日を比べると、1割減少しています。

住民を支える側の地元の行政の担い手さえ、減少する現状です。

赤間防災大臣の受け止めは、残念ながら、まったく危機感が感じられません。

決定的に、被災地支援が足りていないのです。

山本太郎代表は、何度も能登を訪れ、こう言い続けていました。
「能登半島地震で、国土面積のたった0,46%という地域さえも、国は救えずにどうするんだ?被災地支援や復興にもっとお金をかけて力を入れて欲しい。放置するな」。

「過疎地域だから、人口減少地域だから、お金を使わない、コンパクトにコンパクトに、ってことなのか?」

私も最初に能登被災地へ行ったのは、地震発災から二週間後。その時すでに、自治体職員は疲弊し、本人もその家族含めて被災者ですから、「被災者が被災者を支援する、という枠組み自体が破綻している」、ということを言い続けてきました。

これはもう、14年前の東日本大震災のときから、津波や原発事故ですべてを失った被災自治体の悲鳴として訴えられてきたことです。

だからこそ、被災したとき、自治体だけでなく、外から駆けつける災害NPOや民間団体の経験や知見を活用して被災者支援を最大化していく、そのための実効性ある仕組みをいかにつくりあげるのか、それが問われてきました。

しかし、大臣に、その認識はありませんでした。

今年5月の通常国会において、災害対策基本法はじめ関連法が改正されました。その際、「被災者援護協力団体登録制度」というものが新設され、その後、改正法は施行されました。

災害に見舞われた際、自治体のみならず、災害NPOや民間団体の経験や知見を活用しようということが議論され、法律に盛り込まれたのですが、

改正法では、行政の命令条項と災害NPOやボランティアの自主性は相いれない点、救助費の支給がない点、障害者団体に欠格条項があるなど問題点があり、れいわ新選組としては、反対でした。

そのため、改正法の運用状況をチェックする必要があるので、今回の高市内閣発足により、新たに防災担当大臣となった赤間大臣に確認をしたのです。

この「登録制度」では、第一弾として、10月に6団体が登録されました。また、11月の終わりに、4団体が追加され、現在10団体が登録されています。

この質問の事前に、内閣府(防災)に、誰が登録団体を選ぶのか、基準は何かと確認したところ、内閣府(防災)の政策統括官が担当し、書類の要件を満たせば、そのまま登録するとのことを伺っていました。

そうだとすれば、政府のお墨付きが欲しいだけの申請団体も出てくるかもしれないし、また、説明会に参加経験のある団体からは、「書類手続が大変であった」、「何がメリットなのかもわからない」、「むしろ活動が中途半端に公開され評価が低いと判断された時のデメリットのほうが、大きいのでは」など、懸念の声もあったのです。

だからこそ、今のような登録制度ではなく、常日頃から、顔が見える関係で、現場の団体と付き合いのある、例えば、JVOARD(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク)や「災害中間支援組織※」に、登録団体の募集を依頼したほうがよいのではないか。そのほうが、よほど実効性がある。そう、提言しました。

しかし、赤間大臣は、この提言に対しても、認識不足から答弁はありませんでした。

これは大きな問題です。

なぜなら、内閣府防災は、災害が多発する昨今、行政だけでは限界であり、現場を知る専門的なNPOや団体との「官民連携」が重要な柱である、ということを繰り返し言っています。にもかかわらず、現場から事前に意見を聞かない、制度設計に関与させない。そして、後から申請して登録してください、と言っても機能しないのは明らかです。

また、ちょうどこの11月に補正予算が閣議決定され、「官民連携による被災者支援のネットワーク構築」に予算が計上されました。

しかし、支援組織の事務局経費や人件費は含まれておらず、政府からの説明は、今年1月から「交通費補助事業を始めている」とのこと。

災害は、激甚化し、頻発しています。こうした現場での支援を「無償のボランティア」に頼る。こうしたことはやめたほうがよい、と強く、指摘しました。

この30年、災害NPOや技術系ボランティア団体は、避難所の開設や運営、炊き出しの調整、自主避難者の支援、ブルーシートの設置や家屋の土砂撤去など、行政にはないノウハウや専門的知見や人材を蓄積しています。

公助を支えるための「共助」、ここに、しっかり予算をつけなければ、被災者支援に繋げることはできないのです。

これが、「ボランティア元年」と言われた阪神・淡路大震災以降の教訓です。


最後に、政府は来年、令和8年度中に「防災庁」の設置を準備していますが、その状況について、また、防災庁設置後の「災害中間支援組織」の位置づけなど、官民連携の核となる、災害NPOや民間団体の扱いは、どうなっているのか牧野大臣に尋ねました。

しかし、出てきた答弁は、防災庁設置準備担当にもかかわらず、「私のところにも、骨格がわからない、法案の中身が示されていない」という、ごまかしの答弁。

しかも、今回のテーマである災害NPOや災害中間支援組織、民間団体との連携、設置準備中の「防災庁」では、どうするのかと質問したところ、

「これから検討」との大臣答弁。すっかり後回しではありませんか。

これでは、いくら防災庁を設置しても、激甚化・頻発化する災害に対応できる機能性、合理性ある組織にはなり得ません。

災害関連死を防ぐ取り組み一つとっても、ハード面(トイレ、キッチン、ベッド)だけではなく、きめ細やかなフォローのできる専門的な人材が不可欠です。

大規模災害が頻発するいま、行政や消防団はもちろん、災害NPO、社会福祉協議会、福祉団体、地域にいる行政書士会や司法書士会、土地家屋調査士会などの士業団体、企業や青年団体など、多様な主体が連携することが必要でしょう。


大臣に対し、「検討する」だけではダメだ、専門性ある災害ボランティアや民間の声をしっかり取り入れて、新たな「防災庁」の設置準備をするよう訴えて、この日の質問を終えました。

れいわ新選組は、「防災省の設置」を公約に掲げています。

何があっても心配するな、と言える国にするため、引き続き、力を尽くしていきます。

※「災害中間支援組織」とは
災害時において、専門性を有するNPOなどのボランティア団体が活動するにあたり、そうした団体と行政、社会福祉協議会などとの連携、課題解決などのコーディネーションを行う組織のことであり、文中に紹介のJVOAD(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク)も全国域で活動する災害中間支援組織であり、都道府県域で活動する組織もある。現在、全国に26組織ある。