4つのバブル

枝野勉強会小幡2+  枝野勉強会小幡+

12月2日(月)、経済学者の小幡績さんを迎え、アベノミクス分析や必要な成長戦略についてお話を伺いました。お人柄も非常におもしろい小幡さん。

アベノミクスの4つのバブルと指摘されるのは、1)国債バブル、2)株価バブル、3)成長戦略バブル、4)アベノミクスバブル。

「成長戦略」については、過去に成長戦略で成長したことはない。とくに自民党の場合、既存団体や利害関係にもとづいて政権が成り立っているのであるから、既定路線の少しの効率化や短期的な刺激策といった戦略になるのは当然で、その複雑な調整ができる官僚に丸投げということになるという分析には、しごく納得。既得権打破や長期をみすえた構造改革は難しくて当たり前で、成長戦略にそもそも期待はできない。

むしろ、新しい企業が苦労して芽を出し、新しい構造に移りつつあるものをいかにサポートできるかが大事であり、質の高い労働力を育てることが、唯一の成長戦略であるという彼の主張は明確です。

先週、ちょうど私が、一年ぶりに衆議院本会議場に入り審議を傍聴した日、10年間で200兆円の国土強靭化基本法案が衆院を通過しました。古いインフラの改修や防災は必要ですが、これにより公共事業を優先した予算配分に逆戻りし、民主党政権で力を入れてきた教育分野や人材育成への予算はまたもや減少。完全に政策が先祖がえりしています。

もう一度、古い高度成長期下の構造へ戻して短期的に景気を良くしようとするのがアベノミクスだとすれば、持続性がないどころか、構造的にはより悪く作用します。地道な構造改革と、雇用・人材育成が必要です。「人財育成」を国家戦略とすべきだと思います。

最近は、安倍政権から「成長戦略」の言葉もほとんど聞こえず、特定秘密保護法案に傾倒した強硬姿勢ばかりが目立ちます。