【国会質問】世界ですすむ再公営化


内閣委員会で、11月18日、PFI法案について質問しました。

PFIとは、「プライベート・ファイナンス・イニシアティブ」の略語で、
日本語では「民間資金等活用事業」とも訳されます。

要は、公共サービスを民間の資金や能力で行うことです。

担当省庁である内閣府は、
「PFIの導入により、国や地方公共団体の事業コストの削減、より質の高い公共サービスの提供をめざします」と言っていますが、でも、本当に、それが地域のため、住民のためなのでしょうか?

我が党の山本太郎代表は、2018年6月12日の参議院内閣委員会において
「PFIの推進は世界の潮流に大きく逆行した、まったく周回遅れの議論」と厳しく指摘をしています。

あれから4年経って、世界の破綻した民営化や官民連携の例がさらに増えたのに、
さらに市民生活に身近な集会施設にまで対象を広げてアクセルを踏むのはおかしいと考えます。

日本の公共サービスは、行政はもちろんですが、地域社会も重要な担い手です。
地域の人々は、公共サービスの単なる受益者ではありません。
ともに地域のことを考え、行動してきた主体だったはずです。

こうした疑問を持って、本法案でPFIの対象として広げることとなる、地域の集会施設、公民館の役割を例にして質問しました。


「公民館は、戦後の焦土の中から生まれ、人間尊重、生涯教育・学習、住民自治といった理念に立ち、地域づくり・人づくりの中核的機関として、地域住民や関係者の営々たる努力に支えられてきました」

これは、全国公民館連合会にある言葉です。
「公共の場」の役割やこうした歴史や努力の積み重ねがPFIによってどうなるか、
大臣の認識を質問しましたが、老朽化を理由に、全くかみ合わない議論になりました。

PFIの推進や拡大から導き出せるのは、
「財政負担を削減しつつ、民間のビジネス機会を創出する」という、
まさに「公共を食いものにした金儲け」という結論でしかありません。

本法案によって、住民自治は奪われ、公共サービスの有料化や市場化が進んでいきかねません。

それが、岸田総理のいう「新しい資本主義」でしょうか?
今必要なのは、むしろ、住民参加による「新しい民主主義」であると私は考えます。

世界ですすむ再公営化において、
PFIの発祥地イギリス、水道企業大手の母国フランスなど
商業的で金融化された管理・運営形態よりも、
公正さやユニバーサルアクセス、持続可能性、民主性などを根本理念とした公共の利益、
これを追求する自治体を含む非営利の所有・運営形態を、新たに人びとは選択しています。

「行政と民間企業のパートナーシップ」よりも、
「行政と住民のパートナーシップ」によって地域住民に投資をし、
コミュニティーを強くする、そして、公共サービスを再構築することこそ、あるべき姿です。

その方向性に逆行したこの法案を到底認めることはできないと述べて、質問を終わりました。