NHK「日曜討論」・4回目

前回のNHK日曜討論の生出演は、1月8日。年初に、まもなく始まる通常国会への戦いについて抱負を述べたときでした。今回6月25日は、国会閉会にあたって、その総括と課題がテーマとなりました。

まさに、150日間にわたる国会の開始と閉めの機会となり、とても数分では言い尽くせないことばかりでしたが、一言一言に凝縮して、「闘う野党の復活」が必要であることを危機感とともに述べました。

大きなテーマは、3つ。

(1)マイナンバーカードについて
(2)通常国会 審議をどう総括するか?
(3)防衛費増額・少子化対策の財源は?

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(1)マイナンバーカードの相次ぐトラブル 政府の対応は?

今から8年前の国会質疑で、山本太郎代表は、次のように指摘をしていたんです。

「先々、マイナンバーカードを持っていなかったり、番号を使わないと、
不便でしょうがない、という状況をどんどんつくり上げていき、
事実上の強制、義務化されることになるのではないですか?」

これがまさに、現実化したのが今の状況です。

国民皆保険のもとで、健康保険証を廃止するというのは、
事実上、マイナンバーカードの強制と言えます。

国民の税金で、こんな強引なやり方をするのなら、
皆さん、マイナンバーカードを返納する国民運動を起こしましょう、とカメラに向かって呼びかけました。

このままいけば、健康保険証だけではありません。
運転免許証、母子手帳、銀行口座、いろんなものが一体化されて、
そのカードでしか、生活できない状況が作られてしまうでしょう。

相次ぐトラブルに国民は不安しかなく、そのような状況下で、
誰にとってもかけがえのない健康保険証を廃止すれば、
適切な医療が受けられなくなったり、
万が一、通信状況や災害、停電によって、データ情報表示しないと無保険となってしまい、
治療10割負担になってしまうなど、言語道断です。

マイナンバカードは、あくまで任意なのですから、選択できるようにすべきです。

なお、政府与党は「利便性」を強調しますが、やるべきは「セキュリテイ」です。

デジタル先進国は、すべての情報を一つのカードに紐付けるなどということはしていません。

マイナンバーカード、返納運動。これで、みんなでまとまっていきましょう。


(2)通常国会、審議をどう総括するか?

今国会は、アメリカから強く要求された「防衛費の大幅増額」、「防衛産業の強化」、「原発推進」など、国の方針を大転換する法案が粛々と通りました。まさに、『売国・棄民国会』であったと言えます。

加えて、国民に増税や、後期高齢者の医療保険料の負担増などを次々と決め、外国人やLGBTなど少数者の人権法案が強行採決されるなど、この国に生きる人びとを置き去りにした、『茶番国会』でもありました。

なぜか。政府提出の法案60本中、58本が成立。これでは野党の存在意義が問われます。
猛省すべきではないでしょうか。

だから、れいわ新選組は「本気で闘う野党」の復活を求めて行動したところ、
与野党から不当な懲罰動議を受けました。少数政党だから、と軽々しく出したとすれば、
議会制民主主義の破壊になりかねないことを申し述べておきます。

本当に議論すべきだったのは、30年も賃金が上がらず、コロナと物価高に苦しむ人々をどうやって経済支援するのか、どう所得を増やすのか、という政策です。

わたしたちが昨年、衆議院に共同提出した「消費税5%減税」と「インボイス中止」の法案はたなざらしのままです。

国会は、最優先で、苦しんでいる国民に寄り添うべきです。


(3)子ども政策、防衛費増額の財源は?(財源なき政策)

私は昨年、「こども家庭庁」創設の議論のときから、岸田総理に対して子ども予算倍増は、いったい、いつやるのか?規模はどれくらいか?、その財源を、消費税増税や国民負担増でやっては絶対にならないと言い続けてきました。

まさか財源の議論は1年半も先送り、予算倍増になるのは10年後、とは驚きました。究極の無責任ですよ。

不思議なのは、防衛費倍増のための「防衛財源の確保法」は国会を通しながら、
「子ども財源の確保法案」は、姿・形さえもないことです。

「異次元の少子化対策」といいながら、最大の茶番ではないですか?
子ども政策は、防衛増税の目眩しだったのでしょうか。

少子化対策は、なんと言っても、「若者・子育て世代の所得を上げること」。

まずは、消費税廃止して、生活を底上げする経済対策、そして、
子ども国債、教育国債を安定財源として、
児童手当の一律3万円、教育の完全無償化、奨学金の返済はすべてチャラにする。

「奨学金返済」を苦にして、自ら命を絶つ若者を、もう一人も出してはなりません。

その財源のために、医療や介護の社会保障の歳出削減をするのはもってのほかです。

なお、将来にツケを回す、という批判は当たりません。財政規律のせいで、子どもが増えない、貧困や自殺、虐待やいじめがやまない方が、よほど、将来に深刻なツケを回してしまいます。

原発に投資するより、武器を買うより、人を育てることが、日本を豊かにして強くしていくのです。

なにより、子どもへの投資の受益者は、社会であり、国であるということ。
今すぐ、国債を発行して財源をつくり、政策を実行してください。