2022年7月21日 くしぶち万里国会ニュース 第4号

核兵器禁止条約のウィーン会議

6月21日-23日までウィーンで開催された核兵器禁止条約第一回締約国会議に出席してきました。
「核兵器禁止条約」は核兵器を違法とし、その製造,保有,使用などを禁止する世界初の国際条約で、2017年7月7日採択され、2021年1月に発効しました。

2022年6月時点で86カ国が署名、66ヵ国が批准。

残念ながら、唯一の戦争被爆国である日本はまだ署名すらしていません。

「核兵器国と非核兵器国の橋渡しをする」と繰り返してきた岸田政権ですが、橋渡しのためにまたとないチャンスであるはずの「第一回締約国会議」にオブザーバーとしての参加すらしませんでした。
 ただ「政府がやらないから」と、批判だけしていればいい問題ではありません。

「『核なき世界』の先頭に立つことにより地域の安定をリードしていきます」という公約の早期実現のために、れいわを代表してこの会議に出席させてもらいました。 
締約国会議前日20日、各国から同条約を推進する国会議員が集まり

「核兵器禁止条約推進国会議員会議(Parliamentarians for the TPNW)」が開かれ、私くしぶちもこの会議でスピーチさせてもらいました。

一番の目的は、核兵器廃絶を願い集まった世界の国会議員たちに、「いま日本で核抑止強化や核シェアリングを主張する政治勢力があること」を伝え、このような動きを批判する声をあげてもらうことです。


「まず初めに、日本について残念な事実をお伝えしなければなりません。最近、日本の政党や与党の議員グループの間で、いわゆる核シェアリングを提案する動きがあります。つまり米国の核兵器を日本に持ち込んで配備するというのです。現在日本では参議院選挙に向けた各党の訴えが続けられており、このような提案が議論されることを防がねばなりません。皆様から、日本の有権者に向けて、核共有や核抑止力に頼る政策がすでに世界では違法であるということを、共同のメッセージとして発してほしいのです。」


 この訴えは、世界の国会議員たちから驚きと共感をもって受け止められました。


「日本で核共有の議論があるというが、『核兵器』がシェアされることはあり得ない。核保有国の兵器が押し付けられるだけで、押し付けられた側には何の権限も与えられない」

これはNATO加盟国を代表する議員からの、コメントです。
会議の終わりに取りまとめられた国会議員会議声明には、れいわ新選組からの提案も盛り込まれました。

「我々は核抑止と核シェアリングを安全保障策として正当化することを求める動きが活発化していることに真剣な懸念を表明する。」

という一文です。
 この声明が出されたことは、核シェアリング・核抑止を訴える日本の政党への強いけん制となります。
実はこの声明文修正案を採用してもらうため、前日から主催者ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の代表者達と相談し、英語での文案を練って、司会者に前もって修正提案を送るなど、舞台裏での戦略を進めました。

ICANの川崎哲国際運営委員はNGOピースボート時代からの盟友です。

一緒に世界各地で平和構築活動に取り組んできた仲間と、また別の立場で一緒に核兵器廃絶に向けて取り組めることを感慨深く思います。

今回ウィーンで出会った世界の「核廃絶を目指す仲間」達と連携して、「核なき世界の先頭に立つ」という公約を具体化していきます。