【国会質問】リウマチとアレルギー疾患対策は?


4月10日(月)、決算行政監視委員会にて、以前よりボランティアの仲間からいただいていたテーマについて、国会質疑で取り上げました。

リウマチは、高齢者の方に多いイメージかもしれませんが、
約6割が49歳までに発症し、男性に比べ女性が4倍多いと言われています。

ロスジェネ世代の女性から、所得が下落しているのに医療費負担が大きい、
終わりが見えない、と生の声をいただきました。

多くの皆さんに共通する課題です。

厚労省は、きちんとした実態把握さえしていないことが明らかになりました。

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れいわ新選組のくしぶち万里です。

日本はこの30年間、賃金が上がらない、経済成長していません。所得の中央値は約131万円も下がっています。本日は、そのようななかで医療費に苦しんでいる患者の多い、リウマチとアレルギー疾患対策について、お伺いいたします。

リウマチは、関節が腫れ、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。身近な難病とも言われています。関節を動かさなくても激しい痛みが生じ、日常生活や家事、仕事に支障が出て介助が必要になるなど、生活するうえで影響が大きく、男性に比べ女性が4倍多いとも言われております。

政府参考人にお聞きします。現在、日本におけるリウマチ患者はどれくらいいるのでしょうか?

(厚労省健康局長)
令和2年は79.6万人。平成29年(2017年)は37.3万人。令和2年調査(2020年)の際に集計方法が変更となっているため年次推移を比較することは難しい。

(くしぶち万里)
集計方法が異なるとはいえ、3年で、倍に増えることがありうるのでしょうか?

厚労省にお聞きすると、平成24年(2012年)調査では60万から100万人、平成26年(2014年)には推計33万人と、患者数に関する情報は十分に把握されておりません。もっときちんとした調査を行うべきと考えますが、加藤大臣、いかがですか?

患者からは次のような声が届いているんですよ。パネル1、です。


「突然、リウマチにかかり、病気の不安ともに、経済的な負担も背負うことになります。そして終わりが見えない。せめて、経済的負担を払拭できないものか、と強く思います」

これは、家族にリウマチ患者がいる方から私に直接寄せられた、生の声です。

さらに「値段が高いため最新の生物学治療をあきらめ、安くて古い治療を選ぶ人もいる」とも語られています。経済的事情によって、健康や命が左右されるようになっている。加藤大臣、これが現実なんです。

患者団体のアンケート結果を見ると、高度な医薬品の使用により、自己負担が増えてきている現状が浮かんできます。20年前は1カ月平均5000円未満が7割近くだったものが、2020年は3万円以上が15,7%、8万円以上は4,4%、合計すると、3万円以上の自己負担となっている人の割合は20,1%、つまり、2割に及んでいます。

この層は、20年前は1%未満だったんですよ。このかん、所得が下落していることを考えれば、負担感がものすごく大きくなっていることが分かります。

また、パネル2をご覧ください。


リウマチは高齢者のイメージがありますが、じつは年齢に関係なく発症する病気です。約6割が49歳までに診断されている。私に声を寄せて下さった方も発症は20歳の頃、現在は40代です。

社会的、家庭的に重要な役割を担っている30代〜50代が多いんです。

経済的負担は、とくに若い人にとって切実な問題となっているのが現実であり、さらにリウマチは女性に多いことを鑑みれば、妊娠・出産にも影響が及んでいるのではないでしょうか?

妊娠を希望している人や授乳中でも使用できるのが「生物学的製剤」です。それを経済的理由で諦めずに使えるのであれば、希望する人が子どもを持てる可能性も高くなると考えます。

加藤大臣、なんとか、リウマチ患者への経済的支援ができませんか?

過去に「リウマチ患者を長期 高額疾病 患者と認定して、高額 医療費 助成の対象にしてください」との要望書が患者団体から出されているはずです。認定されれば、自己負担額が原則月1万円になると聞いています。

現在、リウマチを長期高額疾病とする件は、どうなったのでしょうか?加藤大臣、簡潔にお答えください。

(加藤大臣)
悪性関節リウマチについては難病指定の対象となっている。

(くしぶち万里)
いえいえ、パネル2の円グラフを見てください。悪性関節リウマチの患者さんは0,6%、私が申し上げているのは95%の関節リウマチの患者の方々についてお伺いしています。

検討が遅れている理由と合わせて、明確な回答を、後ほど出していただくよう求めます。


さて、厚労省からは、「リウマチは自己免疫疾患なので、花粉症や食物のアレルギー疾患と同じ扱い」との説明を受けました。(体の中にある免疫システムが自分自身に攻撃をしてしまう特徴から自己免疫疾患である)

事実、以前は、厚生科学審議会の下に「リウマチ・アレルギー対策委員会」が設けられていたんですね。

しかし、「アレルギー疾患対策基本法」の成立により、分離され、「リウマチ等対策委員会」と改組されて、今に至っています。

アレルギー疾患について対策基本法がつくられたことは評価できる一方で、以前は「リウマチ・アレルギー」と括られていたのが切り離され、厚労省のリウマチへの認識が薄くなっているのではないのでしょうか?いわば、放置状態と言えます。

加藤大臣、以前は同じカテゴリーだったアレルギーとリウマチを分離したのであれば、リウマチに対しても「リウマチ対策基本法」をつくって政策を充実させるべきではないでしょうか?

あるいは、リウマチをアレルギー疾患の一種と今でも捉えているのであれば(私はだいぶ違うと思いますが)、アレルギー疾患対策基本法が対象とする疾患に、リウマチを加えるべきではないですか?いかがですか?


(加藤大臣)
アレルギー疾患対策基本法は議員立法であるが、患者の方々に向けてできることを善処したい。

(くしぶち万里)
全国で100万人近い人が苦しんでいると言われています。

古くからある病気で、ヨーロッパでは19世紀から医学的に把握されているものが、一方日本では、厚労省でリウマチが取り組みとして方向性が出されたのは1997年という、比較的最近であると聞いています。

政府の緊縮財政が理由で、患者の実態調査もいい加減、救済対策も放置ということであれば、とんでもないことです。

ぜひ、積極財政で、早急に、経済的支援の仕組みをつくり、患者を救っていただくよう強くお願い申し上げ、私の質問といたします。