月山と万葉集
ようやく下山。長い間あこがれていた月山へ、令和初日に登頂しました。
学生時代、11月の末になれば山に数ヶ月篭ってスキー特訓して大会めざし、
3月終わって下山すると世の中の空気がすっかり変わっていたことを思い出します。
半分、山スキーともいえる月山のスキー場の雪質はザラメですし、
上はかなりガスっていましたが、
5月に滑るという貴重なシチュエーションは想像以上に最高でした。
心から山に感謝。
万葉集から新元号は取られたわけですが、
その万葉集には、月読が出てくる歌が8首あり、そのひとつの長歌に、
天橋も長くもがも
高山も高くもがも
月読のもてる変若水(おちみず)
い取り来て
君に奉りて変若水えてしかも
(訳)
天への橋も長くあってほしい
高山も高くあってほしい
月の神のもつ甦りの水を取り、
あなたに差し上げ若返らせたいものだ
月山は月読命を祀っていて、地元に伝わる万葉集の歌があることや
甦りや再生の意味があることを知りました。なるほど。
過酷な冬を越えた雪解けの水の、清らかさ。
その水でつくる酒やお米が美味しいことも伝えているのかなと、想像します。
万葉集。
新元号だけじゃない、和歌が伝える世界と今が、
こんなふうに結びついていることに、もっと触れていきたいと思います。